日本の音楽史をタイムスリップ。
いまや世界中にファンをもつ細野晴臣氏。
彼と同時代に生きたかのように錯覚できる本でした。
いやあやはり独特の音世界はこうしてカタチづくられるのだなあと。
サウンドを単にコピーするだけではない、
しっかりと深く張られた根のようなものを見つけることが必要だった
山下達郎や荒井由実、大瀧詠一に矢野顕子。
そしてもちろんYMOの坂本龍一に高橋幸宏。
たびたび登場する本書のなかで細野さんと各巨匠たちとのやりとり。
仲間のなかに自分も入れてもらって生きているかのような時間でした。
あと個人的にシビレタのはYMO結成時のエピソード。
細野は坂本と高橋をそのころ住んでいた白金の団地によびだした。
それは冬の日の寒い夜だった。部屋にはコタツがあり、その上にはミカンがあった。
三人はコタツに当たっておにぎりを食べた。
メディアを通してみる彼らは、スーパースター。
一方で、この本からみえてくる普通の人柄。
ふつうの感覚が、ふつうの人たちに共感される、
ふつうではない音楽をつくっていった。
そして、ふつうの私たちの日常をゆたかなものにしてくれた。
あらためてありがとう。
いい食卓には、いい音楽があふれている。
そんなこともあります。
著者の門間雄介さん。
蔵書してくれた基山図書館の方々。
貴重な時間をありがとうございました!!