- 『「非常に過酷に」もしくは「厳しい緊張のなかで」働いている』
と答えたイギリスの労働者の割合が、1980年代以降増え続けている
(世界保健機関WHOの調査)仕事上のストレスは
心臓病のリスクを20%上昇させる職場でストレスが高まっていると感じている人60%以上
(2009年世界75カ国1000社対象の調査)参考文献:ライフシフト(リンダ・グラットン著)
ストレス社会におけるごはんの役割を考えています。
ごはんってこれまで
健康的な側面ばかり注目されてきた傾向があります。
「身体に良い」と評価される一方、
最近では「心にも良い」との研究結果を目にしました。
和食の主要品目は7種類。
そのなかにはおもてなしごはんの主役「米」もある。
以下、発酵学者で東京農業大学名誉教授の
小泉武夫氏の著書から引用。
和食というのは次の七つの食材で構成されています。
一つ目は、根菜類。ニンジンやゴボウ、大根、イモなど、土の中に入っている根っこや茎ですね。
二つ目は、菜っ葉。白菜、ホウレンソウ、小松菜などがこれに含まれます。
三つ目は、青果。トマトやキュウリ、それからリンゴやブドウ、ナシなどのくだものもここに入ります。
四つ目は、山菜ときのこ。ワラビやゼンマイ、シイタケやシメジなどの山の幸です。
五つ目は、豆類。特に大豆は“畑の肉”と呼ばれるほどの豊富なタンパク質を摂取できるので、豆腐や納豆にして毎日の食卓にのぼるだけでなく、発酵させて、味噌や醤油の原材料として活躍します。
六つ目は、海草。ワカメやヒジキ、海苔などのことですね。
七つ目は、主食の米。それから麦。
七品目の共通ワードは、植物。
植物というのは、動物のように自分で移動することができない。
生きていくための栄養を摂取するには、太陽の光を浴びて光合成するか、地に根をおろして栄養素を吸い取るしかありません。
地面の栄養素というのは、ミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛など)。和食を食べてきた日本人は、つねに豊富なミネラルを摂取していたわけです。
食べ物が人間に大きな影響を与えると言いましたが、食べ物は体のつくりだけでなく、心にも大きな影響を与える。和食に豊富に含まれているミネラルは、副腎髄質というところから分泌されるアドレナリンという興奮ホルモンの働きのバランスを整え、ストレスを軽減する作用があるからです。
日本人の性格がおだやかで、困難な事態にも冷静に対処することができるのは、和食パワーのおかげだと私は思っています。
唐突ですが「和食をつくることが、至福の時間をつくる」と信じています。
至福の時間は、穏やかな時間から生まれ、
穏やかな時間は、ストレスの少ない日常から生まれると
わたしたちの研究所では考えるからです。
意識的に、和食からミネラルをとり、
ストレスを和らげて、平穏に生きていきたいものですね。
おもてなしごはんの研究が
平穏な地域社会構築の一助となれれば幸いです。
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