リーダーシップと食卓

備忘録メモ。
ヒトと自分をシアワセにするのがリーダーシップ。
ということを読み終わって感じました。

食卓との共通点です。



採用基準(伊賀 泰代著)

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問題解決や情報収集インタビューのスキルが、
語学力の差を埋め合わせるほどパワフルだということを示しています。
この時の面接トレーニングで私は、効果的なビジネススキルを身につければ、
必ずしも英語のネイティブでなくてもグローバルなチームを率いて働くことが
可能になるのだと実感しました。

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当時の私には、ビジネススクールまで卒業して、
なぜローカルなワイナリーへの就職を目指すのか、さっぱりわかりませんでした。
「まずは好きなマンガを翻訳して販売する」と嬉しそうに話す友人を見ても
「趣味と仕事の区別がついていないのでは?」などと考えていたのです。
もちろん、今から考えればよくわかります。
彼らこそ世間の評価に惑わされず、自分がやりたいことを理解していたのです。

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マッキンゼーのトレーニング、そしてクライアントワークにおいて、
コンサルタントは常に世間の常識を鵜呑みにせず、
自分でゼロから考えるよう求められます。
他者の、世間の、一般的な考えではなく、自分のオリジナルな考えを突き詰めること。
それは、MECE(Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)やロジックツリーなど
テクニカルな問題解決スキルより、よほど重要な基本姿勢としてたたき込まれます。

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外資系企業がグローバルな統一採用基準を適用した時、
日本での採用が他国に比べて難しい理由は、ひとつはもちろん英語力です。
しかし、さらに深刻な問題は、その重要性自体が認識されていないリーダーシップの欠如のほうです。
そして、実はマッキンゼーが求めている人とは、
この「リーダーシップ・ポテンシャルをもっている人」にほかならないのです。

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どんな分野にせよ、既存のやり方を変えるには、強力なリーダーシップが必要とされます。
現実に問題を解決するのは問題解決スキルではなくリーダーシップなのです。

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本来のリーダーとは「チームの使命を達成するために、必要なことをやる人」です。
}プロジェクトリーダーである自分の意見より、ずっと若いメンバーの意見が正しいと考えれば、
すぐに自分の意見を捨て、その若者の意見をチームの意見として採用するのがリーダーです。

さらに「そんな若造の意見を採用するなんて!」不満をもつメンバーを納得させ、
チームをまとめていくのがリーダーシップです。
こう考えれば、リーダーが複数いることは決してマイナスではありません。
むしろ全メンバーがリーダーとして自覚をもって活動するチームは
「一人がリーダー、その他はみんなフォロアー」というチームより、
明らかに高い成果を出すことができます。

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全体の方向性に影響を与えない細かいことにこだわったり、現実的でない理想論を振り回す。
面倒なことが起こると突然に無関心を装い、いつのまにか自分の役割を離脱している・・・
こういった行動をとるのは、自分がリーダーとして苦労したことのない人ばかりです。

組織を動かして成果を出すことがどれほど大変なことか、
実体験として理解していない人がチームにいるのは、極めて非生産的です。

換言すれば、人はリーダー体験を積むことによって
「高い成果を出せるチームのメンバー」になれるのです。
もちろん、実際のリーダー体験なくしては、リーダーシップも身につきません。
問題が起こった時にどう対応すべきか、
組織を束ねるためにはどのようなコミュニケーションが必要なのか、
リーダーにはどの程度のプレッシャーがかかるものなのか。
そういったことを実体験として理解している人だけでチームを組み、問題解決に当たらせたい。
これがマッキンゼーをはじめ、欧米企業や欧米の大学が入試や面接においてすべての人に、
過去のリーダーシップ体験を問う理由なのです。

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異なる案を支持したメンバーも含めて
全員が一致団結して出し物の準備を行うためには、
そこにリーダーシップが必要とされるのです。
「楽しければよい」状況で求められるのが、
せいぜいまとめ役や調整役にすぎないのに対し、
成果を達成するためには必ずリーダーシップが必要となります。

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救命ボートの漕ぎ手を選ぶ

大きな成果がかかっている時、いざという時に選ばれるリーダーとは、
成果目標のない時に選ばれる「あいつはいい奴」とか「いつも一生懸命で好感がもてる人」、
「一緒にいると楽しい人」、「すべてを完璧に処理してくれるよくできた人」
などとは全く違う概念なのです。

この「リーダーシップと成果主義の関係」が、日本では十分に理解されていません。
それがリーダーシップとはどんなものなのか、多くの人が想像しにくい原因となっているのです。

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三名の組織ならマネジャーは不要です。管理が不要だからです。
しかし三名の組織でも、成果目標があればリーダーは必要です。
リーダーシップを発揮する人がいないと、目標は達成できません。
一方、構成員の規模(人数)や仕事の領域が一定範囲を超えれば、
特に成果が問われる状況でなくても、管理職は必要となります。

マネジャーが必要なのは、成果を達成するためではなく、
組織内の人数が多くなると管理が行き届かなくなるからです。
この「管理のために必要な役割」と「成果達成のために必要な役割」はまったく異なる。

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リーダーは細かいことにクチを出さず、
すべてを自分でやろうとしないほうがよい場合も多いのです。
リーダーとしてほかにやるべきことがあるのに、
物事が万事支障なく回るよう、すべてに目配りして走り回り、
率先して現場の仕事を処理するのは、リーダーシップではありません
(メンバーの動機づけのため、そういった行動をとるリーダーシップ・スタイルはあります)

なぜ日本では、リーダーが雑用係になってしまうのでしょう?
その理由は、日本人が「リーダーは組織に一人いればよい」と考えているからです。
「一人のリーダーが、組織運営に必要なことはすべてやるべきだ」と考えているから、
リーダーは、本来求められる責務に加え、雑用まですべてを担当させられるのです。

リーダーシップは全員に求められるものです。
それぞれの人が自分の周りで、できる範囲のリーダーシップをとれば、
誰か一人が雑事すべてを担当するというような事態には陥りません。
しかし日本人にとっては、全員がリーダーシップを発揮する
ということ自体が「不思議な概念」なのです。
そして「リーダーが一人決まったのだから、その人がすべてをやるべきだ」
という誤った考えが、リーダーを雑用係にしてしまうのです。

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リーダーは組織の和よりも成果を出すことを優先します。
したがって強力なリーダーは、同じ時代、同じ空間を共有する人にとっては、
必ずしも「一緒に働いて楽しい人」ではありません。

結局のところ、メンバーがリーダーにどこまでついていけるかということは
「その成果を出すことに、それぞれのメンバーがどれほどコミットしているか、
成果を出すことを、みんながどれほど重要だと思っているか」にかかっている。

成果を達成することがどれほど重要か?

成果を共有できる人とチームを組むこと、もしくは、
成果目標を共有できるよう最初の段階でリーダーが尽力することは大切なことです。

しかし何より重要なことは、リーダー以外の人もふくめて
「リーダーの仕事は、周りの人を楽しくさせることではなく、
なんとしても成果を出すことなのだ」と理解することです。
日本でリーダーシップをとろうとする人が、
周りの強力が得られず孤立したり、批判にさらされたりしがちなのは、このことを、
自らのリーダー体験を通して理解している人があまりに少ないからです。
だから言葉遣いとか、進め方の是非といった表面的な手続きばかり、あれこれと文句がつくのです。

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自分の実力を大きく超える仕事をしている人は、
特別な勉強や訓練の機会を待たず、日常の仕事からも貪欲に学びを得ないと、
必要なスキルを身につけることができません。
このため常に「学びの臨戦態勢」を保っているのです。

リーダーがなすべき4つのタスク

  • 目標を掲げる
  • 先頭を走る
  • 決める
  • 伝える

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目標を掲げる

まずリーダーに求められるのは、チームがめざすべき成果目標を定義することです。
そしてその目標は、メンバーを十分に鼓舞できるものである必要があります。

人がつらい環境の中でも歩き続けれるのは、達成すれば十分に報われる目標が見えているからです。
その目標、すなわちゴール(到達点)をわかりやすい言葉で定義し、
メンバー全員に理解できる形にしたうえで見せる(共有する)のが、リーダーの役割です。

★成果目標がなければ、社員はエンドレスの努力を求められていると感じ、
達成感も高揚感も得られないまま疲弊してしまいます。

一方で、「この技術で世の中を変える!」とか
「5年後にこの業界で世界のトップ3になる!」という言葉は、
社員たちに、自分たちが向かうべきゴールが何であるかを明確に示しています。

さらにそれは「つらくても頑張ろう」と思えるに足る魅力的なゴールです。
「そこに到達することで、自分は大きな高揚感が得られる。
多大な苦労は伴うが、ぜひ、到達してみたい」と感じさせることが必要なのです。

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カリスマ性に溢れている人もいますが、大半の人はそんなものはもっていません。
それでも組織のメンバーを奮い立たせる目標を設定することは、
リーダーの重要な仕事のひとつであり、自分の性格に合わないからやらなくてもよい、
という類のものではありません。
このことをよく理解している経営者は、
たとえ自分に生まれながらのカリスマ性が備わっていなくても、
努力と工夫によって「みんなを奮い立たせるゴールを提示しよう」と考えます。

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リーダーシップ・ポテンシャルの高い人を求めるという趣旨から言えば、
変化への対応力が高い人ではなく、むしろ、「変化を起こす力のある人」が求められます。
変わっていく社会に対応する力をもつ人ではなく、
社会なり、組織なりを自ら変えられる人という意味です。

対応という言葉には、変化は外部からやってくるもの、という前提があります。
しかしリーダーにとって変化は自分が起こすものであって、
外からやってきて対処すべき対象ではありません。
その人の立つ場所が主体側であるか否かは、決定的に重要です。
同様に、目標を誰かに与えられ、それを達成するために働くだけの人はリーダーではありません。
リーダーにとって、目標は自分で掲げるものなのです。

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先頭を走る

リーダーというのは先頭を走る人であって、後ろに控えている人ではありません。
先頭を走る人が、一番前で最初に方向性を決めてこそ、メンバーは安心して走ることができるのです。

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伝える

強いチームとは、多様な価値観をもつ人が集まったチームです。
そして多様な個性の人が集まったチームでは、
リーダーには常に「言葉で伝える」ことが求められるというわけです。

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特に厳しい環境下では、組織内にさまざまな不満や怪しい言説が広がります。
悪意をもった言説と組織内の不協和音を取り除き、人心をひとつにして前に進めるために、
リーダーの言葉以上に強力な武器は存在しません。
そういう場合にはたいへい兵糧(動機づけに使える予算、報酬の蓄え)が尽きていて、
頑張った人にも金銭で報いることができない状態です。
だからこそコストのかからない言葉の価値はさらに大きいのです。

決断をしない人はリーダーではありません。
伝える努力をしない人も、先頭を走る覚悟のない人も、
成果目標を掲げて見せてくれない人もリーダーとは言えないということです。

調査する、勉強する、考えるなどの行為は、どれほどの時間と熱意をかけてそれらに取り組んでも、
それでリーダーの役割を果たしているとは言えません。
「後ろから部下を見守っている」のもリーダーではありません。

★目標を掲げ、先頭に立って進み、行く道の要所要所で決断を下し、常にメンバーに語り続ける、
これがリーダーに求められている4つのスタンスです。

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マッキンゼー流リーダーシップの学び方

  • バリューを出す
  • ポジションをとる
  • 自分の仕事のリーダーは自分
  • ホワイトボードの前に立つ

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問われるのはプロセスではなく成果。成果につながる結論(メッセージ)を明確にする。

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早めにポジションをとることにより、さまざまな問題点が浮かび上がり、
改善や修正も素早く行えるようになります。
仮でもよいのでポジションをとって結論を出さないと、
外部から反対意見さえ集めることができず、何を改善すればいいのか見えてきません。

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ホワイトボードの前に立って議論のリーダーシップをとるには、

  • 会議の参加者が発する意見を全体像の中で捉え、
  • 論点を整理して議論のポイントを明確にしたり、
  • 膠着した議論を前に進めるために視点を変えたりと、

さまざまなスキルが求められます。

この「ホワイトボードの前に立つ」という経験をとおして、
新人コンサルタントはディスカッション・リーダーとしての訓練を積んでいくのです。

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できるようになる前にやる

とりあえずやってみて、本当にできない部分だけを誰かに助けてもらうという
実践的な方法で鍛えられます。
「できるようになったら、リーダーシップを発揮する」のではなく
「リーダーシップは今すぐ発揮してください。できない部分については、
次回からどうすれば改善すればいいかを学びましょう」というやり方。

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成果を最大化するためなら、やれることはなんでもやる。

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マッキンゼー以外の場所でも、
将来すばらしいリーダーになるだろうと確信できる若者たちによく出会います。

彼らの大半は零細企業、もしくは個人企業で働いており、一流大学の卒業生でもありません。
それでも、コンサルティングファームで訓練を受けた若者に見劣りしないスピードで成長し、
より実践的な体験を積んでいます。彼らをみていると、貴重な体験は、
極めて速いスピードで人を育てるのだということが、よくわかります。

176

博士号取得者が「専門知識をもって問題解決にあたることのできる
リーダーシップ・ポテンシャルのある人」であれば、
民間企業への就職状況はまったく違ったものになったはずです。

177

日本には、頭のいい人が世の中を引っ張ってくれるという妄想がありますが、
高い専門性も地頭のよさも、リーダーシップなしには活きてこないのです。

日本における「優秀な人」の問題は、チームで取り組むことで、
個人で取り組むより高い成果を達成したという経験をもたない人が多いことです。
この国では優秀な人ほど「みんなでやるより自分ひとりでやったほうが早い」と考えています。

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日本人はよく「アメリカは個人主義、日本は組織力」などと言いますが、これはむしろ反対です。
日本では、高校、大学、大学院の進学は、ほぼ100%個人の成果によって決まりますが、
アメリカの学校の大半は、入学時に提出させる資料において、
過去のチーム体験、チームで出した成果、そのチームの中で自分が果たした役割や
発揮したリーダーシップについて、詳細に問うてきます。

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「自分ひとりではなく、みんなのチカラが結集したからこそ、この成果を出せた」と考えるリーダーがまとめ上げた解を、人は他人事ではなく「自分がつくった仕組みだ」と感じます。
そうやって初めて、実際の世の中で動く仕組みができあがるのです。

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変わることができるのは「問題を解決し、今までとは異なる未来をつくり出すのは自分たちだ。
それを率いてくれる新しいリーダーがやってきた」と考える組織です。
この考えは「自分たち」が、自らリーダーとしての自覚をもっていることを示しています。
会社の経営者一人だけがリーダーなのではなく、
構成員の中にも「自分がこの現状を変えていく」という意識をもつ人が一定数いて初めて、
その組織は変わることができるのです。

186

「自助と公助」と「共助」には大きな違いがあります。
共助が機能するためにはリーダーシップの存在が不可欠だということです。
自助とは血縁と婚姻にもとづく相互扶助関係であり、公助は公的な資金を分配する制度です。
そして共助とは、リーダーシップによって運営される助け合いのシステムなのです。

188

日本で起こっているさまざまな問題の根底には、
リーダーシップ・キャパシティの不足という共通の課題が存在しています。
知識や思考力や勤勉さを総動員し、目の前の問題を解決していくための
リーダーシップを発揮できる人の数が、あらゆる場所において不足しているのです。

そして何よりも問題なのは、英語力不足問題と異なり、
リーダーシップの総量が足りないという問題が、広く認識されていないことです。
このため大学や企業においても、リーダーを体系的に養成しようという動きが出てきません。
モノづくりを重視し、技術者を育成しようという気はあっても、
モノづくり企業をマネジメント側から支えるリーダーを養成しようという意欲は感じられません。

重要なのはごく少数のカリスマリーダーではありません。
社会のあらゆる場面で、自分の業務領域や身近なコミュニケーションの範囲において、
大多数の普通の人が日常的に発揮する「リーダーシップの総量」が足りていないのです。

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リーダーシップとは

  • すべての人が日常的に使えるスキルであること
  • 訓練をつめば、誰でも学べるスキルであること

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自分がやるべきことを自分で判断し、
それによって起こるかもしれない非難や苦情は自分で受け止めると決め、
誰にも相談せずにこの判断をしました。
上司に判断を求め、その指示どおりにしておけば、後から出てくる苦情は上司に流せます、
自分の責任にはなりません。しかし、それをしないのがリーダーです。

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リーダーになるために、神がかかったカリスマ性や生まれながらの卓越した能力、
溢れるような人間的魅力が不可欠というわけでもありません。
リーダーとは何をすべき人なのか、そのためにどう振る舞うべきかを理解し、
小さな場面でそれらを体験して成功体験を積み重ねることにより、
ごく普通の人がリーダーとして活躍できるようになるのです。

220

問題の解決には、リーダーシップ以外にも分析力、技術力、専門性や先見性など
さまざまな能力が必要となる場合も多いでしょう。
しかし、それらすべてを一人の人間がもっている必要はありません。
リーダーシップを発揮できる人が、そういった能力や知識、資質をもつ人を集め、
チームとして率いることで、問題は解決できるのです。

リーダーは参謀として地頭のいい人を使うことはできますが、
「頭のいい人が、リーダーシップのある人を参謀として登用し、成果を出す」というのは、
概念上ありえません。だからこそ問題解決のためには、
頭がよいことより強力なリーダーシップをもつことのほうが、はるかに重要なのです。

224

自分で起業するなり、志をひとつにする仲間と共同でプロジェクトを始めれば、
そこでは、自分たちの世界観に基づいて仕事をすることができます。
自分たちが考える理想の組織をゼロからつくることもできるし、
「これぞ我々が取り組むべき」と信じられる仕事を、中心的な業務にすることもできます。
そういった働き方を可能にするものこそが、リーダーシップなのです。
逆に言えば、リーダーシップをもつ人だけが、そういった働き方を実現できるのです。

226

リーダーがなすべきことは、「目標を掲げる」「先頭を走る」「決める」「伝える」の
4つを挙げました。人生のコントロールを握るということは、目標を自分で設定し、
それを実現するためにリスクをとって、自ら行く道を定め、
良し悪しにかかわらずその結果を自身で受け止める覚悟をもつということです。
人生を共にする人がいれば、当然「伝える」ことも重要なプロセスとなるでしょう。

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ゼロベースで考えろ、固定観念にとりつかれるな、成功体験にこだわるな・・・
そういった仕事中に何度も問われる言葉が、自身のキャリア選択を検討する際にも浮かんできて、
行く道の選択肢を広げてくれるのです。

「環境が整っていないなら、改善すればいい」
「どうしてもだめなら環境が整った場所を探せばいい」
「自分で環境が整った組織をつくればいい」

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「日本には人材しか資源がない」と私たちはよく言います。
そんな国で人材が有効活用できないとすれば、それはあたかも、
サウジアラビアが石油を活用せず、海に流して捨てているのと同じくらい馬鹿げたことです。

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リーダーシップを持った人は、大樹に頼らなくても自分の力で状況を変えていけると考え始めます。
自分で人生を切り開いていけるという自信が、社会の規範から逃れた自由な発想につながり、
守られた場所から出ていくことを、リスクだと感じなくなるのです。

しかも今は、社会の規範、価値観を離れて、
ゼロから自分の人生を設計できるようになった人たちが手に入れられる世界は、
劇的に広がりつつあります。


239

世界に出て行けるのは、英語ができる人でも頭がいい人でもなく、
リーダーシップを身につけた人にほかなりません。
強く市場から求められる専門性があれば、通訳をつけて海外で活躍することもできるし、
自分にはない専門知識や洞察力、思考力をもつ人材を、チームメンバーとして率いることもできます。しかし、リーダーシップだけは自分でもっていないと航海に旅立つことはできません。

リーダーシップを身につけた人たちは今、人生のコントロールを取り戻し、
広がる世界で自分自身の生き方を模索し始めています。
彼らのリーダーシップにより、日本企業や日本の社会が抱える問題の多くが解決できるでしょう。
しかし最も重要なことは、個々人が与えられた枠の中で生きるのではなく、
自分自身の力で人生を設計できるようになることです。

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私が本書で伝えたいと考えたことは、世間の評価に惑わされず、
自分自身の生き方を追求するために不可欠なものが、リーダーシップということです。

社会を変えたいなら、まず自分の生き方を変えないと始まらない